聖地パレスチナ

聖地せいちパレスチナは何時いつまでも聖地せいちなり。

たとひ異端いたんてらならび、異端いたんみやことなり

異端いたん弓櫓ゆみやぐらうへ異端いたんほしつどかがや

パレスチナのみづ異端いたん噴井ふんせいよりふきあふ

異端いたん異端いたんあやしきはな

パレスチナのつち異端いたんたねつちかひて

とげある異端いたんはなはなざかりにするとも、

なげなかれ、そのかみの聖地せいち今日けふ聖地せいちのち聖地せいち

ひとたびまことの聖地せいちなりしパレスチナ

がパレスチナぞ何時いつまでも聖地せいちなる。

殉情詩集 畢

Transcriber's Notes

本テキストは昭和五十四年筑摩書房刊「近代日本文学26 佐藤春夫集」を底本にした。