Linux Astronomy HOWTO Elwood Downey and John Huggins howto@astronomy.net Revision: 1.13 , Date: 2000/11/28 15:23:37 日本語訳 長岡昭平 nagaoka@jttk.zaq.ne.jp 翻訳年月日: 2001 年 1 月 28 日 この文書には、天文学の研究に Linux を利用するうえでのヒントと情報源が 記載されている。 ______________________________________________________________________ 目次 1. はじめに 1.1 予備知識 1.2 目的 1.3 バージョン 1.4 著作権 1.5 著者について 2. ソフトウェア 2.1 コレクション 2.2 プラネタリウム用プログラム 2.3 ライブラリ 2.4 その他 3. ウェブ上の天体画像 3.1 リスト 4. 組織 5. 機器制御 5.1 望遠鏡制御 5.2 CCD カメラ制御 6. インストールへルプ 7. Linux を使用しているプロジェクト 8. 日本語訳について ______________________________________________________________________ 1. はじめに 1.1. 予備知識 SuSE、Redhat、Caldera といったメジャーな Linux ディストリビューション のおかげで Linux システムは使いやすくなってきている。しかし、 Linux を 最大限活用するにはやはり Unix の扱い方についての基礎的な理解が必要であ る。そこでこの HOWTO では、読者が Unix システムの使用法に関する基礎的 な知識を持っていると想定する。プログラムのコンパイルとインストールもこ の知識に含まれる。 以下の情報源はここ何年も我々の役に立っている - o "A Practical Guide to the UNIX System" Mark G. Sobel 著 o "Advanced Programming in the UNIX Environment" 故 W. Richard Stevens 著 o "Running LINUX" Matt Welsh 他共著(訳注 : 邦訳 Running Linux 導入か らネットワーク構築まで 小嶋 隆一 訳 山崎 康宏 技術監修 オライリ−・ ジャパン) o "LINUX Device Drivers" Alessandro Rubini 著(訳注 : 邦訳 Linux デバ イスドライバ 山崎康宏 訳 オライリ−・ジャパン(発売元:オ−ム社)) 重ねて言えばこれは天文学の原理や天体観測のための手引書、参考書ではな い。天文学は様々な科学の中でもおそらく扱う範囲がもっとも広いものであ り、全く異なる様々な学問分野を用いてほかならぬ宇宙そのものを解き明かそ うという大胆な試みなのである。あなたの関心の向く方向は様々となるに違い ない。我々が使ってきた参考文献を以下に挙げる - o "Astronomy with your Personal Computer" Peter Duffett-Smith 著 o "Astronomy on the Personal Computer" Oliver Montenbruck 他共著 o "Textbook on Spherical Astronomy" W. M. Smart 著 o "The Astronomy and Astrophysics Encyclopedia" Stephen P. Maran 編集 1.2. 目的 この HOWTO の目的は、主として天文学研究になんらかの形で一応は使うこと ができる Linux ツールの簡単な索引を提供することである。ここでは WWW 上 の天文学参考文献全般を列挙するつもりはない。我々自身の関心は基礎科学よ りもテクノロジーにあるので、ほかの方法で天文学に寄与できる Linux ツー ルを見つけた方々からの投稿を歓迎する。上記アドレスに連絡してほしい。 1.3. バージョン 改訂版 1.13 日付 2000/11/28 15:23:37 この文書の最新バージョンは Astronomy Net の Astronomy HOWTO で、いつで も入手できる。 提案は大歓迎なので、Astronomy HOWTO Editors に送ってほしい。 1.4. 著作権 ( 訳注:この文書の配布に関しては、この項の著作権表示と許可条件表示が転 記されることが条件なので、以下に原文と訳文を併記します。原文が優先さ れ、訳文は参考です ) Copyright 2000 by Elwood Downey and John Huggins. This document may be distributed only subject to the terms and conditions set forth in the LDP License except that this document must not be distributed in modified form without the author's consent. 著作権は、 Elwood Downey と John Huggins にある。この文書 は、LDP ライセンス条項に述べられた条件に従う限り配布してもよ い。ただし例外として、改変された形での文書の配布は著者の同意 無くしては行ってはならない。 A verbatim copy may be reproduced or distributed in any medium physical or electronic without permission of the author. Translations are similarly permitted without express permission if it includes a notice on who translated it. Commercial redistribution is allowed and encouraged; however please notify authors of any such distributions. 一字一句変えないコピーであれば、物理的媒体であろうが電子的媒 体であろうが、複写や配布に著者の許可は必要ない。翻訳について も同様に翻訳者名の表示があれば特別の許可は必要ない。営利目的 での再配布も許可、奨励する。しかし、そのような配布の際には著 者に通知してほしい。 Excerpts from the document may be used without prior consent provided that the derivative work contains the verbatim copy or a pointer to a verbatim copy. この文書を引用した著作は、その中に一字一句変えないコピーが含 まれるかそのコピーのある場所が示されている限り引用に対する事 前の許可は必要ない。 Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this document provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. この文書の一字一句変えないコピーの作成や配布は、この著作権表 示や許可条件表示がすべてのコピーに転記されるという条件で許可 される。 In short, we wish to promote dissemination of this information through as many channels as possible. However, we wish to retain copyright on this HOWTO document, and would like to be notified of any plans to redistribute this HOWTO. 要するに、我々はできるだけ多くのチャンネルでこの情報を広めた いとは思っているが、この HOWTO の著作権は失ってしまいたくな い。したがって、この HOWTO の再配布の計画があるときには通知 してほしい。 1.5. 著者について Elwood Downey は、様々な天文学プロジェクトにおいて、そのソフトウェアエ ンジニアリングの分野で20年以上の経験がある。Elwood についてさらに知 りたければ、 Clear Sky Institute を参照されたい。 John Huggins は、ハードウェアエンジニアリング分野で11年の経験があ る。その内には8年間の天文学プロジェクトの経験が含まれる。詳しくは、 John's Site を参照のこと。 2. ソフトウェア 2.1. コレクション 以下は、Linux 上で動く天文学用ソフトウェアのコレクションとその他の索引 へのリンクである。 o The Linux for Astronomy CDROM (天文学のための Linux ) o Scientific Applications on Linux (SAL), Physics and Astronomy ( Linux における科学上のアプリケーション) o Linux Applications and Utilities Page, Science and Math ( Linux ア プリケーションとユーティリティの欄 - 科学と数学) o AstroMake は、いくつかの一般的な天文学用パッケージのインストールを 簡単にするためのユーティリティである。 o linuxastro メーリングリストは、アプリケーションとパッケージの一覧表 を含んでいる。詳しくは、 linuxastro を参照のこと。 2.2. プラネタリウム用プログラム 天球面上のオブジェクト(人工天体も含む)を見つけるのに役立つプログラムの うち Linux で動作するものを、以下に挙げる。 o XEphem は、ここ15年あまりの間、我々の一人 (Downey) のお気に入りの プロジェクトであった。これは天体暦計算用として非常に有効な対話形式 のツールの一つとなった。 o XSky は、Terry R. Friedrichsen, terry@venus.sunquest.com によるもの で、本質的には対話形式のスカイアトラスである。 o Skymap は、SAO(Smithsonian Astrophysical Observatory)の Doug Mink が作成した天体地図作成用プログラムである。Fortran と C で書かれてお り、Unix ワークステーション上で動作する。 o Xplns は、 X Window System 上にリアルな星空を再現する。 o Nightfall は、娯楽、教育、科学のための天体用アプリケーションであ る。これは連星の蝕のアニメーション画像の作成、合成光度曲線および視 線速度曲線の計算ができる。つまり、連星系の蝕の観測データから最適モ デルを決定できると言うことである。 2.3. ライブラリ ここでは、それぞれの専門的なプロジェクトの基盤を構成するソフトウェアに ついていくつか述べる。 o Starlink Project の一部である SLALIB は、位置天文計算用のライブラリ 集である。 o Astrophysics Source Code Library (天体物理学ソースコードライブラリ) は、数値天体物理学用のリンク集である。 o Astronomy and numerical software source codes (天文と数値解析ソフト ウェアソースコード) は、天文学に関連した C コードのコレクションであ る。 o How to compute planetary positions (惑星位置計算法) o CCD Astronomy on Linux (Linux における CCD 天文学) は、SBIG 社製 CCD カメラ用の制御ライブラリである。 2.4. その他 リスト形式で紹介すると「その他」の項目がどうしても必要になる。ここでは 上記の分類に入らないソフトウェアについて述べる。 IRAF は、巨大だが非常に有用で包括的な天文データ解析システムである。こ れは過去20年あまりにわたって、NOAO の Doug Tody が管理してきた。IRAF には、天文データ解析のあらゆる分野における一流の天文学者たちからの信頼 できる貢献が、数えきれないほど蓄積されている。もし、本当に天文データ解 析に興味があって、相当な時間を注ぎ込めるなら、このシステムは大きく報い てくれるだろう。 o Nightfall Eclipsing Binary Star Program ( Nightfall 連星蝕プログラ ム ) 3. ウェブ上の天体画像 FITS のような天体画像ファイル形式に対して、様々なブラウザからのアクセ スを可能にするための努力が続けられている。そのいくつかを紹介する。 3.1. リスト 天体画像サーバーと天体画像ブラウザの一覧は、ハーバード大学のグループが 整備している。 o Astronomical Images Over the Web (ウェブ上の天体画像) 4. 組織 o 毎年開催される Astronomical Data Analysis Software and Systems, ADASS, は、天文データの取得や解析に関するアルゴリズム、ソフトウェ ア、OS などについて、天文学者と計算機スペシャリストが議論する研究会 である。これは、招待講演、寄稿論文、ポスターセッションと、ユーザグ ループあるいは特定分野に関するミーティング(BOFs) からなっており、ソ フトウェア技術者とユーザとの対話を促進し、天文ソフトウェアシステム のさらなる発展を促すことを目的としている。 o linuxastro メーリングリスト linuxastro@majordomo.cv.nrao.edu は、天 文ソフトウェアを Linux に移植することに興味を持っている人々が対象で ある。詳しくは、linuxastro を参照のこと。 5. 機器制御 Linux で機器制御を行おうという人たちが増えている。そのユーザ層は在野の アマチュア天文学者から専門の天文台までと幅広い。 5.1. 望遠鏡制御 o OCAAS は、 Linux 用の観測所管理と天体解析の完備したシステムである。 o XEphem は、望遠鏡制御デーモンプロセスと通信することができる。 5.2. CCD カメラ制御 o Apogee Instruments Inc は、かれらのプロ用 CCD カメラ製品を Linux の もとでサポートしている。 o SBIG は、CCDカメラの ST7 と ST8 を Linux から制御するための手助けと なる情報を提供している。 o CCD Astronomy on Linux では、Linux と 天文用 CCD カメラを使って画像 取得および画像処理を行う過程を、段階を追って説明している 6. インストールへルプ Linuxへのプログラムのインストールに関しては、自分が何をしているかを理 解していなければならないが、そうしたことをプログラムに任せることもでき る。以下に紹介する方法を使えばインストールの負担が軽減できる。 o AstroMake は、いくつかの一般的な天文学用パッケージ (バイナリ形式) のインストールを簡単にするユーティリティである。 o XEphem をインストールする場合、あらかじめいくつかの要素がコンピュー タ上に存在していることが前提となっている。しかし、CDROM 版のプログ ラムを使えばそうしたインストール作業はずっと楽になる。CDROM にはイ ンストールスクリプトが含まれており、それが大部分のシステム上で利用 可能な適切なコンパイル済みのバイナリをロードするとともに、すべての 補助ファイルを的確な場所に置いてくれる。詳しくは、XEphem CDROM を参 照のこと。 7. Linux を使用しているプロジェクト ここは観測機器の一部または全部に Linux を使用している天文学プロジェク トの例を挙げる。 - o The CHARA Array は、制御システムに Linux を使用している光学干渉計関 係のプロジェクトである。 8. 日本語訳について 日本語訳は Linux Japanese FAQ Project が作成しました。翻訳に関するご意 見は JF プロジェクト 又は、長岡昭平 宛に連絡してください。 改訂履歴を以下に示します。 v1.13 翻訳 : 長岡昭平 校正: 千旦裕司さん 中野武雄さん 野本浩一さん 馬場 肇さん .